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楽園の娘たちへ…

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プロフィール
著者(PN):
月下香治
(かすか・よしはる)
Yoshiharu Kasuka

メール
y-kasuka@jewelryeyes.net

個人的活動記録
(過去ログ)

11月12日更新



2016年9月16日(金)

緊急事態

 本来ならば、今回の更新では前回の予告どおり、フィンランド語学習の様子についてお伝えする予定でしたが、緊急事態が発生しました。動画編集専用の旧パソコンが9月12日にとうとう本格的に故障してしまったのです。
 これまでも負担が少々大きい処理が続くと不随意に再起動することがあったため、8月の終わりごろから作業の大半を新パソコンに移行していたのですが、旧パソコンがセーフモードでも起動しなくなったので、残りの作業も新パソコンで行わなければならなくなりました。新パソコンで安定的な作業体制が構築できるまでのつなぎとして、今回は短文で更新することにします。
 次回の更新では今回の事態の詳細な顛末をお伝えすることを予定し、フィンランド語学習の様子についてはそれ以降にお伝えしたいと思います。
 それでは、今回はそういうことで。


2016年3月15日(火)

フィギュアスケートグランプリファイナル観戦記、のようなもの

 昨年12月、フィギュアスケートの国際大会2015/2016 ISUグランプリファイナルを観戦する母の付き添いで、スペインバルセロナを訪れました。
 母はトップフィギュアスケーターの「絶対王者」羽生結弦選手を熱烈に応援しているのですが、絶大な人気を誇る羽生選手が出場する国内の試合やショーのチケットは競争率が異常に高く、なかなか入手することができません。そのため、海外の試合のチケットを入手することに焦点を絞り、羽生選手はグランプリファイナルに勝ちのぼることができるであろうと見込んで、グランプリシリーズも開催されていない8月にチケットと航空券・ホテルを予約して準備していました。母は外国語を話すことができないので、私も一緒に行くことになったのです。
 グランプリファイナルにおける羽生選手の活躍については報道等で皆様もよくよくご存じでしょうから、(「観戦記」とか銘打っておきながら)ここでは改めて申し述べないことにします。また、ホテルと会場が徒歩10分ほどと非常に近く、そこをほぼ往復するだけで、サグラダ・ファミリアに近づきすぎて全体像が見づらかったぐらいしか観光した覚えがありませんので、「旅行記」も満足に書くことができません。
 そこで、自称言語学者の私としましては、現地における言語事情について書いてみたいと思います。「現地における」といっても、ほとんど自分の事情ですが。
 スペインに旅行することが決定するにあたり、スペイン語を自習することになりました。スペイン語はかつて勉強したことがあったので、すぐに習得することができると思っていたのですが、なかなか頭に入ってきません。昨年3月からの当日記の連載で、頭がドイツ語モードになっていたのです。
 しかも、バルセロナはスペイン国内といいながら、少数言語カタルーニャ語圏の中心地です。言語学者としては少数言語を無視することはできませんし、私はカタルーニャ語の学習経験もあって、若干の愛着を持っています。しかし、スペイン語とカタルーニャ語のどちらを学習することを選んだとしても、出会った相手がその言語の話者ではない可能性が捨てきれません。そんなことを考えていると、ますます学習に身が入らなくなっていきます。
 そこで、スペイン語やカタルーニャ語を完全に習得することは断念し、難しい会話をするのは空港とホテルぐらいであろうと決め込んで、英語で乗り切ろうと心に決めました。英語ならば会話に必要な知識は十全であると自信を持っています。普段から「英語帝国主義に反逆する」と言っておきながら、いざとなったら英語に頼ってしまうのは、私の悪い癖ですが。
 そして当日、ホテルに到着し、チェックインの際に英語で情報を伝えました。若干聞きなおされることはありましたが、特に大きな支障もなく通じました。
 しかし、その後も聞きなおされることが続きました。観光客に多く接しているホテルの従業員に英語の通じが思わしくないことで、自信が多少揺らぎました。
 私の英語の発音が悪かったのか。あるいはよすぎたのか。スペイン語は日本語と同じく5母音体系で、英語の中間母音が聞き取りにくいので、もっと日本人っぽく発音したほうがよかったのかもしれません。
 あるいは、スペインはイギリスに近いので、日本で学習されているアメリカ英語が通じにくかったのか。しかし、アメリカ英語イギリス英語の違いが出るほどには情報量は多くなかったはずだし、そもそも日本で学習されている英語の発音はむしろイギリス英語に近いものです。
 あるいは身振りを一切しなかったから通じにくかったのか。あるいは声が小さかったからなのか。もしくは無意識に下を向いていたからなのか。母が臆せず話す日本語のほうがむしろ通じているような気もしてきます。そんなことに思いを巡らせて、会話する意欲をなくしていきました。
 もしも完全に通じないとなったら、スペイン語を交えるという選択を取っていたかもしれません。しかし、実際はなんとか通じていたし、会話する機会も多くはなかったので、選択を切り替える決断ができません。私自身は母の通訳であり、母の言うことを伝えることが最優先ですので、確実性を減じる方策を取るわけにはいかなかったのです。
 それでも、5日目にしてようやく時差ボケが解消してきたからなのか、次第に意欲も回復してきました。帰りの空港に向かうタクシーでは、ラテン語の知識を応用して、スペイン語とカタルーニャ語が混じったような表現で行き先を伝えることができました。
 次回の旅行は、2017年3月にフィンランドヘルシンキで開催される世界フィギュアスケート選手権を観戦する予定です。今回の旅行で言葉が通じにくかったことを深く反省し、来年までフィンランド語をみっちりと勉強することを心に誓っています。
 次回の更新では、フィンランド語学習の様子についてお伝えしてみたいと思います。
 それでは、今回はそういうことで。


2015年9月15日(火)

GUNS BAR ROSESの名称が…

 この半年の間に、GUNS BAR ROSES関連の状況が急激に変化しました。特に店名・サイト名が変更されましたので、整理しておかないうちに気軽に当サイトを更新してしまうと、情報の連続性に支障を来してしまいます。そこで、ここで報告しておきたいと思います。
 まず、本店「GUNDAM BAR MBASE4」の店名が『NEO ZEON'S BAR MBASE4』に変更されました。サバゲバー「聖バレンシア女子学院サバゲ部第2部室」の店名は『GUNS BAR ROSES』になりました。「聖バレンシア女子学院サバゲ部第2部室」という名称は、一時期は店名から外すことが検討されていましたが、現在ではサブタイトルのような位置付けで落ち着いています。
 それぞれの公式サイトの名称も、店名と同様に変更されました。なお、「GUNS BAR ROSES」の店名に因む『GBR The Gallery』の名称はそのままです。ちなみに、『銃姫爛漫 サバハイ!!』の企画名は『銃姫乱舞 サバチュウハイ!!』に変更されました(「乱舞」は「らんまい」と読みます)。
 実は、私はMBASE4が「GUNS BAR ROSES」の名で開店したその日から通いだした客ですので、シャアが経営する店舗の総体を「(GUNS BAR) ROSES」と認識しています。実際はMBASE4に来店したときでも、手帳には「ROSES」と書き込んでいます。なので、現在の状況は本店と支店の名称が逆転したようで複雑な気持ちです(実際は「MBASE4」の名称のほうが根幹のようですが)。
 これだけならば名前が変わっただけのことで済む話なのですが、とんでもないことが起こりました。店舗自体が移転したのです。
 旧店舗は奈良県北葛城郡上牧町服部台4-1-4 河辺ビルに入居していましたが、新店舗は同町服部台5-4-10 東洋ビルに入りました。黄色の外壁が目立つ、上から見たら三角形の小さなビルです。今年6月1日をもって、旧ビル3階の『NEO ZEON'S BAR MBASE4』は新ビル1階に、旧ビル1階の『GUNS BAR ROSES』は新ビル2階に移転しました。ビル名もシャアの名に肖って「シャアアズナビル」に変更するという野望を打ち立て、既にサイト内で住所として公表しています。
 新店舗は旧店舗の目と鼻の先、徒歩にして約2分の近距離です。何ゆえわざわざこれほどまでの近距離に、しかもこれほど急に移転することになったのかということに関しては、漏れ伝わるところによるといろいろと複雑な事情があるらしいのですが、サイトの構築・更新のみに専念し、店舗自体の経営事情には立ち入ってこなかった私のほうからは、公表するのは差し控えたいと思います。
 移転は6月1日だったのですが、数週間の間はネット回線がつながっていませんでした。その間はサイトのデータを更新してもアップロードはできず、『銃姫乱舞 サバチュウハイ!!』の外部協力者の方々とも連絡が取れませんでした。ネット回線がつながった現在も、店舗は名目上「改装中」で、実際シャア自身が改装工事を続けています。ただし、バーは改装途中のままで事実上営業しています。
 さて、次回の更新ですが、12月に海外旅行の予定がありますので、そのことについて書くかもしれません。3ヶ月後のことを次回の予定にするのは怠けすぎだと思い直したら、別のことを書く可能性もあります。
 それでは、今回はそういうことで。


2015年5月3日(日)

ユーロイデオグラムの簡略化 (7) 他言語への拡張の可能性

 前回までの稿で、ドイツ語を漢字仮名交じり文として表記する方法を解説してきました。
 ドイツ語に漢字や仮名を適用できたのは、都合のよい性質がドイツ語にあったからです。しかし、都合のよさばかりを強調していては、他言語に拡張する試みを挫くことにもなりかねません。そこで、今回は英語に仮名を適用する方法を試案してみようと思います。
 英語は使用地域が広く、方言が多様なので、どの方言に基づいて仮名を適用するかが問題になります。簡略化ユーロイデオグラムは標準語を対象とするという原則がありますが、主要な方言としてもアメリカ英語とイギリス英語の最低ふたつが存在します。
 日本では教育現場等でアメリカ英語を中心としていますが、世界ではイギリス英語を教育するほうが主流です。外来語としての英語は、日本でも基本的にイギリス英語の発音に基づいています。外来語としての表記になるべく近付けたいので、イギリス英語に仮名を適用することにします。
 英語は綴りと発音との関係が複雑なことで有名ですが、これは、表記が書籍の流通等によって固定化するのに対し、発音は変化しやすいからです。現在は音声メディアが発達して発音も固定化しそうですが、やはり少しずつ変化しています。
 一般に、言語に文字を導入する場合は、その時点での発音に基づくのが通例です。しかし、"o" の長母音が [] と発音されるのが標準とみなされつつあるからといって、これを「エウ」と表記するのは直感に反しているように思われます。そこで、時代に関しては19世紀後半から20世紀前半の、一般的に標準とみなされている発音に基づくこととします。
 発音に関して、英語に存在してドイツ語に存在しない性質として、以下のようなものがあります。
・サ行・ザ行のように聞こえる子音 [θ, ð] が存在する。
・「ア」のように聞こえる母音が5つ([a, ɑ, æ, ʌ, ə])存在する。
・子音と母音との間に半母音が挿入されることがある。
・子音で終わる語の直後に母音で始まる語が続く場合、融合して新たな音節が形成される。
 これらの性質は、表記を複雑に、日本語から遠ざける方向に働きます。
 一方、ドイツ語に存在して英語には存在しない消極的性質として、以下のようなものがあります(英語側の性質を挙げます)。
・子音 [x, ç] が存在しない。
ウムラウト母音(前舌円唇母音)が存在しない。
・有声子音字が語末に存在しても、有声子音のままである。
 これらの性質は、表記を簡単に、日本語に近付ける方向に働きます。
 表記と発音との関係については、以下のような性質があります。
・同じ母音字に関する長母音と短母音の音形や、アクセント付き母音とアクセントなし母音の音形が大幅に異なる。
・ふたつ以上の子音字の直前の母音は短母音になるが、語末ではひとつの子音字の直前でも短母音になる。
・一部の子音字が、後続の母音字によって発音を変える。
・語源を示唆するために、発音されない文字(黙字)が書かれることがある。
 これらの性質は、発音と本来の表記のいずれに基づくかという選択に関係します。
 総合すると、英語を仮名で表記したとすると、ドイツ語の仮名表記に比べて若干複雑に、直感的に把握しにくくなりますが、発音と本来の表記のいずれを重視するかによっては難易度が前後する可能性があります。
 それでは、英語の仮名表記の規則を解説していきますが、すべて解説すると長くなります。そこで、まず先に実例を挙げ、その後に、例中においてドイツ語の仮名表記と異なる点を中心に解説しようと思います。
 例として挙げるのは、戯曲『ロミオとジュリエット』のジュリエットの有名な台詞です。ただし、シェイクスピアの時代の英語には古風な特徴があり、19世紀後半から20世紀前半の英語を対象とするという方針にそぐいません。そのため、代名詞と動詞の活用形のみ現代語に置き換えています。
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O Romeo, Romeo! wherefore are you Romeo?
Deny your father and refuse your name,
Or, if you will not, be but sworn my love,
And I'll no longer be a Capulet.
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 これを外来語として表記すると、以下のようになります。必ずしも発音を正確には表していません。
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オー ロミオ ロミオ ホエアフォア アー ユー ロミオ
ディナイ ユア ファーザー アンド リフューズ ユア ネーム
オア イフ ユー ウィル ノット ビー バット スウォーン マイ ラヴ
アンド アイル ノー ロンガー ビー ア キャピュレット
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 これを今回想定する規則に従って仮名で表記すると、以下のようになります。この例では前の語の語末の子音と後の語の語頭の母音が結合して発音される部分がありますが、それには構わずに語ごとに分かち書きしています。
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おう リォメオ、リォメオ! ほゑあふぉあ あー ゆー リォメオ?
でない ゆあ ふぁーぞぁぁ あんど りぇふゅーず ゆあ ねいむ、
おあ、いふ ゆー ゐる のっと、びー ぶゎっと すをあぬ まい るゎゔ、
あんど あいる のう ろんがぁ びー あ キャピュレット。
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 この規則の基本方針は、発音に忠実にしつつも、派生や品詞転換に伴うアクセントの移動によって発音が大幅に変化しても表記が大幅には変化しないように調整することです。黙字は表記せず、発音が変わる子音字も発音どおりに表記しますが、アクセントを持たない音節でも基本的にアクセントを持つと仮定した場合の発音に従って表記することにしています。
 まず、母音について解説します。
 英語の母音は、ウムラウト母音が存在しないことを除いては基本的にドイツ語の母音と類似していますが、「ア」のように聞こえる母音が5つ存在することが特徴的です。このうち、二重母音の前半に出現する [a]、長母音として出現する [ɑ]、二重・三重母音の最後に出現する [ə] は出現環境が異なりますので、同一視して「あ」と表記します。[əː] は、「あぁ」と表記します。
 [æ, ʌ] は、単独では「えゃ・おゎ」と表記します。子音が先行する場合は、子音+[i, u] を表す仮名から(存在する場合は)小書き仮名を削除し、「ゃ・ゎ」を添えて表記します(「いゃ・うゎ」は [jæ, wʌ] を表すとします)。上記の例では、「キャピュレット」の「キャ」や「るゎゔ」の「るゎ」等が該当します。
 次に、半母音・子音について解説します。
 英語にはウムラウト母音が存在しませんので、ヤ行の仮名を本来の [j] のために使用することができます。上記の例では、「ゆー」の「ゆ」等が該当します。
 [j] が子音と母音との間に挿入されるのは母音が [u] の場合に限られますが、その場合は日本語と同様に、子音+[i] を表す仮名から小書き仮名を削除し、「ゅ」を添えて表記します。上記の例では、「りぇふゅーず」の「ふゅ」が該当します。
 日本語で拗音のように表記される子音 [ʃ, ʒ, tʃ, dʒ] は直後に [j] が続くことはありませんので、日本語と同様にヤ行の小書き仮名を添えて表記します。ただし、「ゃ」は [æ] を表すために使用されますので、[a, ɑ, ə] が続く場合の拍を表すためには「ぁ」を添えて表記することにします。
 英語には基本音韻として [w] が存在しますので、これをワ行の仮名で表記することを選択した場合は、ワ行の仮名を "r" のために流用することができません。上記の例はこの選択をした場合の表記であり、「ゐる」の「ゐ」が [wi] を表すのに対して、"refuse" の "re" を「りぇ」で表記しているように、「り」に母音の小書き仮名を添えて表記することにします。[li] は「れぃ」と表記します。
 [w] はいろいろな組み合わせの子音と母音との間に挿入されます。その場合は、単独の子音を表す仮名に [w]+母音を表す仮名を添えて表記します。上記の例では、「すをあぬ」の「すを」等が該当します。
 疑問代名詞等の語頭に出現する "wh" は、イギリス英語では [w] と発音されますが、アメリカ英語等、他の一部の方言では [hw](正確には [w] の無声音 [ʍ])と発音されます。これを区別して表記しようとする場合は、ドイツ語には存在しない単独の [h] を表す仮名が必要になります。上記の例の「ほゑあふぉあ」のように単独の [h] を「ほ」と表記し、単独の [ho] は「ほぉ」と表記することにします。
 ドイツ語には存在しない [θ, ð] については、単独では「そ・ぞ」と表記し、母音が続く場合は母音の小書き仮名を添えて表記します。上記の例では「ふぁーぞぁぁ」の「ぞぁ」が該当しますが、日本語の直感からは若干乖離している感もあります。[so, zo] は「すぉ・ずぉ」と表記することにします。
 最後に、綴り字と発音の関係に関する項目について解説します。
 短母音の直後に子音がひとつのみ存在する場合は、本来の表記の子音字の数にかかわらず、母音(を含む拍)を表す仮名と子音(を含む拍)を表す仮名の間に「っ」(子音が鼻音 [n, m] の場合は「ん」)を書きます。上記の例では、「のっと」等が該当します。
 ただし、日本語として自然に見えるように、一部の場合は「っ・ん」を書かないこととします。摩擦音 [s, z, ʒ, θ, ð, f, v] と流音 [ɹ, l] の前には「っ・ん」を書きません。上記の例では、「いふ」の「ふ」や「ゐる」の「る」等が該当します。[ʃ] は摩擦音ですが、聞こえの強さが特別大きいので、「っ」を書くことにします。
 また、語末から3音節以前の場合や、ラテン語・ギリシア語に由来する母音で終わる接頭辞の場合も「っ・ん」を書きません。上記の例では、「キャピュレット」の「キャ」や「でない」の「で」等の直後が該当します。さらに、前置詞やラテン語・ギリシア語に由来する語の本来アクセントを持たない母音と鼻音との間にも「ん」を書かないこととします。
 "a(n)" や "and" のように、英語で最重要の語彙で、主母音が "a" で、弱形で発音されることが多い語は、アクセントを持つと仮定した場合の発音ではなく、弱形の発音に従って「あ(ぬ)・あんど」と表記することにします。
 外来語や外国の固有名詞で、特に日本語・スペイン語・イタリア語のように、子音+母音の組み合わせを基礎とする言語に由来する語は、英語で母音をどのように発音するかにかかわらず、ローマ字を片仮名に翻字するように表記します。"Romeo" は日本で「ロミオ」として知られているように、英語では [ɹóʊmɪoʊ] と発音しますが、「リォメオ」と表記します。
 このように、かなりの苦心を重ねて英語の仮名表記の規則を構築してきましたが、英語には活用語尾がほとんど存在しないため、漢字仮名交じり文にすると平仮名の部分はすべて漢字で覆い隠されてしまいます。上記の例では、「リォメオ」と「キャピュレット」以外は具体的にどのように表記するかを定める必要がなかったということになります。しかも、第2稿で考察したように、漢字と片仮名だけの漢字仮名交じり文は、現実に使用されていくうちに崩壊して、表意文字のみか表音文字のみの表記に収斂していくと予想されます。
 しかし、事実上の国際語である英語に日本語の表記法を適用する端緒を示すことができたことは、日本語の漢字仮名交じり表記の国際化にとって大きな前進であろうと思います。いずれこの困難をみずから克服するか、克服する誰かが現れて、英語の理想的な漢字仮名交じり表記法が完成し、さらにこの試みが他言語にも拡大していくことを期待しています。
 今回、サイトの更新が予定より1週間遅れました。最終回の更新の直前に病気を発症したためではありますが、原稿が準備されていれば更新すること自体に支障はないはずでした。実は、3月15日の時点では原稿の一部は完成しておらず、予定の日までに順次完成させて更新することにしたため、今回は更新が遅れてしまったということです。
 次回の更新は、やはり未定です。今回のように原稿を準備して連載する場合は、なるべく早く原稿を完成させたいと思います。
 それでは、今回はそういうことで。